「バタリアン」85年/米
葬儀社にたてこもっていた主人公達が、いよいよ追い詰められて
いちかばちか車まで走って脱出しようとする、作品中最も盛り上がるシーン。
「(貸しを)返すまで死ぬなよ。」は吹替史に残る名セリフ。
「もうここにはいられねえぞ。奴はドアを破って出てくる。」
「よーし車まで走るんだ。」
「車のまわりはゾンビでいっぱいだ。」
「戦って通り抜けるしか方法はない。
なんとかもぐりこめれば、後は走らせりゃどうにかなる。」
「割の悪い賭けだな。」
「俺は無理だ。走るどころか、歩く事もできない。」
「そんなに酷いのか。」
「・・・折れてる。ああ。」
「スパイダーと俺で車まで行って、ドアの所へ持ってくる。」
「パトカーならたぶんキーは差したままだ。」
「・・・あの様子じゃ、エンジンもかけっぱなしさ。」
「俺が運転するぜ。」
「いや、俺がやる。」
「勝手にしろ!」
「いいか、戻ってきたら、長くは止めちゃいられないからな。
さあ君はここに立って、手はこことここにかけて、
俺が合図したら、ドアを開けて、
俺達が出たらすぐに力いっぱい叩きつけて、カギをかける。
アーニー!このドアの陰にいろ。」
「・・・バート、お前さんには貸しがあったな。」
「ああ。」
「返すまで死ぬなよ。」
「はは。」
「あああ。」
「用意はいいか。」
「開けろ!」
「もっと近くまで行かないと二人とも乗れないぞ。」
「これじゃ無理だ。逃げるしかない!」
「逃げる?冗談じゃねえ!」
「行っちゃったわ!私達を置いて。ひとでなし!」
「仕方がなかったんだ!
バートを信じよう。きっと帰ってくる。」
「おいてきぼりよ・・・!」
「ううん・・・。」
「あの二人を置いて行く気か!」
「車をひっくり返されたら終わりだ。助けを呼んで来る。」
「友達を置いて行けるか!戻れくそったれ!」
「だから助けを呼ぶっつって言ってるだろ!」
「卑怯者!」
「うるさい!」
「しっかりつかまってろ。」
「一体どこへ行く気だよ。」
「電話を探して警察を呼ぶ。」
「おい見ろあれ。」
「く・・・えーい化け物!」
「倉庫へ戻るぞ!」
続きは本編で
オマケ
90/9/14金曜ロードショーの解説。
いや怖いのなんの凄いのなんのって。
肝心なところで噛む水野晴郎。
「ご機嫌いかがですか。水野晴郎です。
さぁー今夜は恐ろしい映画ですよー?いや怖いのなんのって。
バタリアンという作品なんですよ。
バタリアンて何でしょうね。
もちろん今日の映画はホラー映画ですからね。
バタリアンていうのはね、ゾンビのことなんです。
ゾンビといいますと、一旦死んだ人間が生き返りまして、
生きた人間に襲い掛かって来るわけですね。
しかも集団でうわぁーっと襲いかかって来るんです。
これは怖いのなんの。
まあ最近はですね、大変なホラー映画ブームでございますね。
若い方がお好きでお好きでもう次から次へとホラー映画ご覧なってらっしゃいますね。
まあーあまりホラー映画ご覧なったことのない、お歳を召した方もですね、
ぜひ今夜ちょっとご覧なってみていただきたいんです。
これが恐ろしいホラー映画か。きっとお楽しみいただけると思いますよ。
ぇしかもですね、この作品は裏側にですね、パロディーをもってるんですね。
パロディー隠してあるわけです。
ですからね、それを、気づいていただきますと
ものすごくおかしくて、笑い転げていただけるわけですね。
この映画の監督さん、ダン・オバノンという監督さんなんです。
あの、エイリアンの、脚本書いた人ですね。
ですからもうホラーのことはよぉーく知ってる人ですね。
ですから彼がですね、監督してるわけですから、
面白いのなんのっていやま凄いのなんのそういうのいっぱい出てくるわけですね。
あの話題の、オバンバも登場するこの映画。
さあ今日は、家族揃って、恐怖の叫びを上げていただきたいと思います。
バタリアンの登場です。
あ、いまさん、皆さんの後ろにいるかも知れません。
ごゆっくりどうぞ。」
「さ、いかがでした?
まあ今日の映画の原題名はですね、えーリターンオブザリビングデッド、
まゾンビ、帰ってきたゾンビとでも言いましょうかね。
まそういう題名であるわけなんですが実は前にですね、
えージョージ・ロメロという人が監督しましたですね、
えーナイトオブザリビングデッド、ゾンビという作品があったわけですね。
ぇその作品の続編に当たるわけですね。
ですから映画の中でも、こんなセリフが出てまいりましたね。
『前の作品であった出来事、あれは真実の出来事だったんだ。』
まぁーそんな事ありゃしませんよね。
ぇでもね、そういった所を見せるあたりが面白い所なんですね。
いわば、前の作品のパロディーになっているわけですね
オマージュでもあるわけですね。
ぇですからダン・オバノン監督は前の作品をこよなくこよなく
愛してたわけなんでしょうねぇ。
まあそれにしましてもですね、
まああのゾンビがうようよとうわぁーっと登場するあたりはですね、
まあ犯罪者が蠢いてるアメリカの都会、まあそういった夜を想像さしてですね、
実はそういった現実のアメリカに対する、えーパロディーでもあるんじゃないかな、
私はそんな感じがしたんですが、ご覧なって皆さん、いかがだったでしょうか。
さ、それでは次回の作品ご紹介してまいりましょう。」
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